iPhone6もGalaxy S6 edgeも、スマートフォンが正しくゴミになる未来へ


良い感じにまとめられそうになかったので、要点をかいつまむような記事になってしまいました。スマートフォンのデザインと使いやすさについて、思ったことを。 ====

  • ジョブズとAppleが作り上げ、各社が競争を繰り広げている現在のスマートフォンのデザインは明らかに異常であると感じる。
  • 何が異常なのかというと、スマートフォンは「落下の危険性が相当に高い製品」であるにも関わらず、「人間の手の高さから落としただけで液晶画面(場合によっては背面も)がバリバリに割れる」ような設計になっている。これは明らかにおかしい。
  • 特にハイエンド端末には良質なデザインが要求されるのだが、それが恐ろしいくらいに本末転倒な事態を引き起こしている。
    1. 高級で美しいスマートフォンが出来上がる。
    2. スマートフォンは大抵衝撃に弱い。また、高級で美しい端末はデザインを優先しているために、より衝撃に弱かったり(背面がガラス等)、手から滑り落ちやすくなっている場合がある(スベスベのアルミ等)。なので、
    3. 耐衝撃性を上げるためにケースを付ける。
      • 外装が安物のプラスチックに覆われて、高級さや美しさが消えてしまう。
    4. ケースを付けずに運用する。
      • 端末を落とすのが怖いため、腫れ物に触るかのように扱ってしまい、気軽に使いまわせなくてストレスが溜まる。



  • このような指摘は、実はiPhoneが登場した初期の段階で、多くの人が声を上げていたように記憶している。それは「前面が全てディスプレイなので、フィーチャーフォンと比べて傷が付きやすそうで怖い」という指摘である。
  • 言われてみれば確かにその通りなのだが、それまでの端末と比べて大きな画面を得たiPhoneは、フィーチャーフォンや初期のスマートフォンと比較して圧倒的な使いやすさを実現、社会現象と言えるような大ヒットを記録した。その陰に隠れるように、前述のような素朴な指摘はかき消されてしまったかのように思える。
  • いわゆるガジェットマニア以外からの声としては、2011年に以下のような指摘があった。(太字は著者が強調したもの)

大槻ケンヂ×みうらじゅん “スティーブ・ジョブズ”をガチで語る!

 

大槻 だってオレ、まずiPadが出たときに、「なんでうしろにベルトをつけて、手を差し込んで持てるようにしなかったんだ? とっかかりがないんだ?」って思ったもん。オレ、これずーっと言ってるんですよ。


みうら あ、黒板消しのバンドみたいなやつ?


大槻 そうそうそう! そうすりゃ持ちやすいじゃない? なのに誰も彼もが、「大槻くん、それはジョブズの精神をわかってない」みたいなことを言うんですよ。

~中略~

みうら そう、並ばされて買わされて! そりゃもう、ソフトなカツアゲじゃないかと! 「これを持ってないとヤバイっすよ?」みたいなこと刷り込んで。カツアゲですよ。


大槻 なにが「ありがとう」だと。iPadを黒板消しにしなかった男だよ!?


みうら わかる。それか、卓球のラケットのシェイクハンドみたいなのつけとけば持ちやすいのになあ?


大槻 そうですよ。最初はiPadにボタンさえつけないつもりだったとか。


みうら なに言ってんだ、このヤロウ!ってとこですよ。っていうか、みんなジョブズと飲んだことでもあるみたいに話すよね。

  • これは2011年の記事だが、確かにiPadの裏に手をひっかけるバンドがあれば便利である。実際にiPhone6 Plusが登場したときには、裏に指をひっかけるバンカーリングが話題になったりした。




まとめみたいなもの

  • 現状のスマートフォン、特にハイエンド端末はいまだ高級品であり、意匠を凝らした製品がこれからも多数輩出されていくのだと思う。
  • 後進国向けの低価格スマートフォンがシェアを拡大しているように、もう少し時代が進んで、スマートフォンがあって当然、蛇口をひねったら出てくる水のように自然な存在になれた時には、変に気取らず、単純に「モノ」として使いやすい端末が現れてくるのではないか…
  • そんなことを思いました。



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